Book of Calgary Walker

オバサンの本棚



 自身を「活字中毒者」と表現してしまうほど読書が大好きな“活字中毒オバサン”から、本の紹介です。


●31●

ゴールデンスランバー』伊坂 幸太郎

Book Image CW128.jpg『衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ?何が起こっているんだ?俺はやってない―――。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に周囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンターテイメント巨編。』

やばい、おもしろい。伊坂センセの本はいくつか読んでいますが、これは断然ナンバー1のおもしろさでした。
身に覚えのまったくない、冤罪事件のお話なんですが、どうやら今までに知っている冤罪事件よりも、もっとスケールが大きいようです。なんたって国家クラス!ひとつの国が一人の個人を追い詰めていくわけなんです。そらー逃げるに逃げらんないでしょー。しかもその犯罪が“首相殺し”ときたもんだ。自分が行った事もない所で自分の行動が状況証拠としてテレビで報道されちゃったりして「えー、俺、そんなとこ行ってねぇし!」って言ってもどう見ても自分なんですよ、そこに映っているのは!

どうにもこうにもわけがわからないまま、犯人にされて、警察からは追いかけられて、テレビのニュースでは言いたい放題言われて・・・そうそう、このマスコミの力ってのも怖いんですよ。人間誰だって、ずっと笑顔でいられるわけないじゃないですか。その笑顔の終わりかけの顔を悪意的に止められた静止画面で見せられたら、どんなカワイ子ちゃんだって腹黒いお顔になっちゃいますよ。それを○○容疑者の裏の顔・・・なんて報道されたら・・・どんなアイドルだってブッチギリの犯罪人でしょーー!最近あった、“元アイドルの裏の顔”なんて言って、動画を切り取って『ちょっとハイになっちゃってる顔』と『いかにも薬が切れた状態のボーッとした顔』の出来上がりってやつでしょ?
・・・まぁ、彼女の場合はさておき、そんな立場になったらどう言いつくろっても逆転無罪なんて無理ムリ無理。逃げて逃げて逃げまくる、これがまたうまいこと逃げるモンでハラハラドキドキ、読んでる分には最高に本が置けない状態に陥るわけなんです。

青柳くんのお父さんがまた、いい味出してるんですワ。もーこーいう親になりたい。こーでありたい。おらぁまだまだ未熟モンだわ。うん。隣で泣き出しちゃった定年間近の児島さんの気持ち、うんうんわかるよ~。(年齢的にこっちに近くなってきちゃってるのかしら、アタシ。いやいや、まだまだ若いモンには負けーーん!)
で、こういう突拍子もない、けど実際にあったらどうやったって逃げられない深刻な状況の中、友人との会話がなんつーかお洒落。小技が効いてるというか、それでいて台詞の文字数をそろえるっつー、伊坂センセが得意とする(しているのかどうなのか、でも他の本でも毎回しているし。)方法でこれがまたシャレオツ。学生時代の思い出が、鼻歌のひとつまでもが、この今現在の彼の窮地を救うヒントになってたり、全てがまとまってるんです。整形外科の話なんかもね、あんまり言うとアレなんだけど、うまいこと出来てるの。

アメリカ映画のヒーローだったらこんな巨大組織にも立ち向かっていくところでしょうが、決して戦わない、逃げる専門のヒーロー青柳くん、そのほうがリアリティがあると思います。最終的にはなんの解決もしてないようなしてるような。でも終わり方もコジャレているから最後までずっとおもしろかったです。

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●30●

『白銀ジャック』 東野 圭吾

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『ゲレンデの下に爆弾が埋まっている―――。「我々は、いつ、どこからでも爆破できる。」年の瀬のスキー場に脅迫状が届いた。警察に通報できない状況を嘲笑うかのように繰返される、山中でのトリッキーな身代金奪取。雪上を乗っ取った犯人の動機は金目当てか、それとも復讐か。全ての鍵は一年前に血に染まった禁断のゲレンデにあり。今、犯人との命を賭けたレースが始まる。圧倒的な疾走感で読者を翻弄する、痛快サスペンス!』


今の季節、読むのにぴったりでした。いかにも映画化狙って書きました!って感じも無きにしも非ず・・・が、いーじゃないか、おもしろければ。本は娯楽なんだから、楽しめれば、ってか、楽しめなければフィクションの意味ないじゃーん!

最初に警察に届けない、という方針を打ち出してしまったばっかりに、2度も3度も犯人の言うがままに振り回されるスキー場側。
「警察なんかに届けたら、もし事件が無事解決したとしても、イメージが悪くなって客が来なくなる。」という経営者側の意見に、客の安全が第一だと訴える現場スタッフ。
彼らと経営陣の考えの違いがあの名台詞、
「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!!」
って、誰かがいつか、言わないかなぁ~と期待してたけど、(当たり前だけど)誰も言わなかった・・・。しょうがないから私が心の中で何べんも叫びました。だから何だって話なんですが・・・。
事の発端は悲しい事故なんだけれど、それをうまいこと利用しようとする人あり、それを阻止しようとする人あり、そして最後には救世主が現れたり、ステキなカップルが誕生してたり、なかなか暖かい気持ちで読み終われました。スキーやスノーボードをする上でのマナーとかにも考えさせられるし、スキー場の抱える現実的でかなりシビアな問題も書かれてて、もしかして東野センセ、どっかのスキー場から書いてって頼まれた?(笑)

東野センセ自身、スノーボーダーでいらっしゃるとか。なので二連キッカーだボックスだ、180だバックサイドの540だ、ノーズプレスしてバックサイドノーズスライドで決める、とか。
・・・きっと書いててご本人、かなーり楽しかったんだろーなーー。スキーヤーよりもスノーボーダーの方のほうが、もしかしたら楽しく読めるかも。それくらいボーダーが大活躍します。ボーダーの皆さま、お天気が悪くて山にいけない日に読んじゃうものいいかもよ。(ただし、あまりに感化されてボーダー超えなんてやったりしないでね。)

もしコレが映画化されても、アラフォー&アラフィフの皆様、“私をスキーに連れてって”を思い出しちゃったりしないでね。イマドキの悪いやつらは手を拳銃の形にして「バーン!」なんてやってもコケてくれないんだから。(古い!古いぞ、私!!)

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●29●

『サウスバウンド』 奥田 英郎

Book Image CW126.jpg『小学六年生になった長男の僕の名前は二郎。父の名は一郎。誰が聞いても変わってるという。父が会社員だったことはない。物心ついた頃からたいてい家にいる。父親とはそういうものだと思っていたら、小学生になって級友ができ、よその家はそうではないことを知った。父は昔、過激派とかいうのだったらしく、今でも騒動ばかり起こして、僕たち家族を困らせるのだが・・・。2006年本屋大賞第2位にランキングした大傑作長編小説!』


なんだかおかしい二郎くんちの物語。上下巻ですが、上巻は二郎くんの小学6年生の生活メインのストーリーで、下巻はお父さんは実はスーパーヒーロー?編でした。上下巻にしなくても続編というほうがしっくりくるくらい、2冊の感じは違いました。が、もちろん2冊ともとってもおもしろかったです。

小学6年生の二郎くんの小学6年生なりの悩みが、子供なりにとても大変でめんどくさいものなのですが、それを色々乗り越えていく姿が、オバサン見ていてほのぼのほっこりしちゃうのよ。いやぁいいですよ、正しい男の子の大きく成長していく姿っていうんですかね、うんうんがんばりなさいよって感じで。が、ここんちのちょっと違うとこはそんな色んな問題に立ち向かう息子に向かって言うお父さんの言葉が
「頭はやめとけよ。俺のお勧めは膝の裏側だ。」と
“鉄パイプで後ろから闇討ちする方法”を伝授してしまうとこかな?うん、ちょっと普通のご家庭とは会話の内容がアレですねぇ。なんだか前々からヘンだよなぁと思っていたお父さんの正体(?)が後半になってどんどんわかってくるんですが、お母さんもなかなかでした。(笑)

下巻は一家が沖縄の西表島に引っ越してからのお話で、この家族の絆が強くなっていくのが印象的でした。どこにいっても騒動しか起こさない“なんてダメダメ親父なんだ。”と思っていたお父さんが一本筋のきっちり通った人間だったことが見えてきます。まぁ、やり方というか、言い方というか、あまりにまっすぐすぎちゃって、それでまた色々騒動が起きるんですがね。ここんちのお姉ちゃんはこのお父さんと血が繋がってないらしいのですが、いやいやそうか?このお姉ちゃんが一番お父さんに似てるような気がするよ?

下巻の楽しいところは実は沖縄の人々のの~んびりした感じ。かなりいい味出してます。なぜか夜な夜な家に人が集まっちゃって泡盛で大宴会になっちゃったり、なぜか必要なものはまわりのみんなからもらえたり、それら全てが「○○さ~。」って言い方で言われると、あ~そ~かぁ~、なんて納得しちゃう。折角捕まえた犯人を「やった~捕まえたぞ~。よーしめでたいから宴会だー!」っつって泡盛呑みはじめちゃってまんまと逃げられちゃったり。なんて愛すべき人たちなんでしょう。(笑)

割と難しい問題なはずなのに、二郎くん視点だからなんだかさわやか~な少年成長青春物語になってるようです。濃いぃ人がいる場合、その周りの人の視点で書くのが一番おもしろいのかもね。だからって二郎くんの立場になりたいかって言われたらご遠慮願うけどね。(笑)

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●28●

『プリンセス・トヨトミ』 万城目 学

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『このことは誰も知らない―――四百年の長きにわたる歴史の封印を解いたのは、東京から来た会計検査院の調査官三人と大阪下町育ちの少年少女だった。秘密の扉が開くとき、大阪が全停止する!?万城目ワールド真骨頂、驚天動地のエンターテイメント、ついに始動。』


万城目サンって方は『鹿男あをによし』とか『鴨川ホルモー』とかを書いてる方で、なんつーか、全ての設定が「ありえないだろッ?!」っていうものばかりなのですが、それをあえて飲み込んで読むとなかなかおもしろいです。
前回ここでご紹介した『TENGU』もビックリするようなありえないだろって感じでしたが、この人のはどっちかつーと、思いっきり漢字で“与太話”とか“法螺話”という雰囲気満載です。この人がおじいちゃんになったとき、孫にどんな話を語るのか、ちょっと隅っこで聞かせて欲しいかも。(絶対、嫁に「おじいちゃんまたそんなバカバカしい話、この子に聞かせないでくださいよ!」って怒られるんだろうな~。)

400年間、大阪の男たちだけで守られてきた歴史、秘密の巨大組織―――いや~、大阪のおっちゃんらが喋らずに秘密守れるか?(笑)
結局、なんでプリンセスを守っているか、なんて話はまったく出ず、どっちかって言えばそれを言い伝える父と息子の絆が大切、みたいなこと?なんだか、よくわかりませんでした。わかったのは会計検査院って内閣とはまた別に独立した立場にあって、立法・行政・司法とまったくリンクしてないってことだけ。“へ~ボタン”があったらもう「へ~。へ~。」言いまくり。(古い?)数字に弱いワタクシには絶対にリンクしないものだわね。
これが映画化されたってんだから、すごいな。でも私のなかで鳥居サンはドランクドラゴンの塚地サンで、中学生と間違われるところから伊藤淳史さんになりました。

万城目ワールドになかなかハマッていけなかったワタクシですが、唯一食いついたシーンが物語の中で2人の中学生がアイスモナカを食べるくだり。
その名も“ゼー六のアイスモナカ”。文章の内容から丸っこいモナカでその中にアイスが入っているらしい。パリッなんて小気味のいい音を立てながらかじりついて食すらしい。
・・・ちょ~~うまそうじゃないッスか?!だいたいアタシったらアイスモナカ好きジャン?(誰も知らねぇって。)板チョコが入ったヤツが一番好きなんだけど、この形状が丸いってなかなかないジャン?(誰も知らないかどうかもわからん。)もー、話の内容そっちのけでアイスモナカがどうなってるのか、気になって気になってたまらない!
てな感じでモヤモヤしたまま読み進め、区切りのよさそうなところでさぁ寝ましょって寝たらさ、あーんの定アイスモナカの夢、見ちゃった☆あはッ、アタシったら食いしん坊サン☆
とってもしょーもない私の夢の中でのゼー六のアイスモナカは、中のアイスがバニラ・チョコ・ストロベリー・抹茶と4種類もあって、しかも大きいのと小さいのとふたサイズあったの!しっかりパリッって言ってたYO!
ついでに言うと、その夢の中のゼー六のアイスモナカは私自身が買ったのではなく、友達が探してお土産で買ってきてくれたという設定でした・・・。友達に探させて、しかもお土産で持ってこさせるとは、面倒くさがりでケチな性分がバリバリ前面に出ちゃってた夢だったYO!

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●27●

『TENGU』柴田 哲孝

Book Image CW 124.jpg『二十六年前の捜査資料と、中央通信の道平記者は対面した。凄惨きわまりない他殺写真。そして、唯一の犯人の物証である体毛。当時はまだなかったDNA鑑定を行うと意外な事実が・・・。1974年秋、群馬県の寒村を襲った連続殺人事件は、いったい何者の仕業だったのか?七十年代の世界情勢が絡む壮大なスケールで、圧倒的評価を得て大藪春彦賞に輝いた傑作。』

最初は天狗伝説が信じられてた村で起こった殺人事件ということで、キワモノかマユツバかと思ってたんですが、話が進んでいくうちにどーんどんワールドワイドになって、あまり言うとネタバレしちゃいそうなんで言いませんが、「すごかった」です。こういう方向へ話が進んでいくとはなぁ~。どこまで本の紹介としてここに載せていいもんか、やっぱ読んでみてから驚いたほうが絶対楽しいだろうから、あんま言わないっこしよっと。ぎり言える事は、ゴ●ゴ13がお好きな方には楽しんでもらえるんじゃないとか思える一冊です。・・・あははは、どーだろー。

作者がノンフィクションライター出身(いまでもそちらで活躍されていらっしゃいますが。)なのでこんなすごい展開も“ありえるかも・・・。”と思えちゃいます。下ごしらえがしっかりしているというか、どこを突っ込まれてもボロがでないというか。「マジで?!」と思いつつも「ありえるかも!!」と思わされる展開に作者の手腕と力をじわじわ感じさせられます。いやーありえるかも。世界情勢とUMA(未確認生物)とハードボイルドがお好きな方にはどストライクだと思います。なかなかこの3つがうまくブレンドされてるお話はないような気がしますよ。

たーだね、本当にもうこれは超個人的な意見なのでまったく無視していただいてかまわないんですが、後半がなんだかやけにハードボイルドが濃い。(濃いって言い方が正しいのかどうかもわかんないや。笑)いや、いいんですよ、別に。ただね、なんでこういうお話の主人公はバーボン飲んじゃうんだろう?って思っちゃったの。芋焼酎や日本酒ではなく、よ?しかもコップになみなみ注いで最初の一口で一気に半分くらい飲みほす、みたいな。そして日本にいるくせにアイスボックスから出てくるビールがなぜキリンやサッポロでなくバトワイザー?
一瞬表紙見直して北方謙三だったか確認しちゃったよ。別に北方先生は悪くない、ただ、「ジャーナリストだからってバーボン一気飲みしなくてもいいんだよ!バドじゃなくて、1本89円の発泡酒飲んでてもいいんだよ!」って私は言いたい。(笑)ビンボーなジャーナリストだったら発泡酒飲んでたほうがよほどリアリティーあるような気がするんだけどな。日本でバド買ったら高いだろーに。(うわ~、なんてリアルな主婦目線。笑)

が、ハードボイルドに“生活感”というのはご法度なんだろうな~。発泡酒もコンビニで買うんだろうな、飲むとしても。しかも深夜のコンビニ。安い大量量販店でまとめ買いなんて、生活感ありすぎてハードボイルドに反するのかな。ポイントカードでポイント、集めててほしいのにな~、ハードボイルドでも。

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Lung & Seto
CHARTERED ACCOUNTANTS

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MACKAY
Real Property Law

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www.mackaylaw.ca

味菜坊

Misai Japanese Restaurant

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MISATO

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NIPPON EXPRESS
CANADA

日通 カルガリー支店

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www.nipponexpress.ca/jpn/index.html

Peak Canada

Educational Consulting Service

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www.eslcalgary.com

RBC
Dominion Securities INC.

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www.rbcds.com/chris.kwok