【2011年9月号】⑮
Cash Back Mortgage
キャッシュバックモーゲッジ(Cash Back Mortgage)って何?
キャッシュバックモーゲッジは、モーゲッジを組む際に購入価格の数%(通常5%まで)を現金で受け取る事が出来ます。このキャッシュバックで得たお金を家や車庫の修理代、家具、学費、車、または負債の返済など、多目的に使うことが出来ます。2008年の7月に$0-Down Insured Mortgage(頭金無しの保証されたモーゲッジ)は廃止されましたが、その代わりに5%のキャッシュバックが同じ役割を果たしてくれるモーゲッジとして台頭してきました。つまり、頭金はご自身の預金や贈与金だけでなく、このキャッシュバックで得たお金を当てても良いという金融機関もあるわけです。
キャッシュバックはどんな仕組み?
モーゲッジを組む際に金融機関はキャッシュバックとして数%の現金を渡す代わりに、高い金利でその分の埋め合わせをします。つまり、この金利との差額がキャッシュバック分とそれに必要となる料金を満期までの間に上回るというわけです。キャッシュバックを頭金に当てる場合、貸し手の金融機関が直接モーゲッジ売買のお客様の担当弁護士にお金を送り、売買完了の手続きをします。この際、通常購入価格の1%~1.5%のClosing Cost(売買完了に必要となる弁護士料など)を準備しておくことが条件となります。
キャッシュバックモーゲッジの問題点
- 金利が高い…金融機関が提示している一番良いディスカウント金利より、少なくとも1.35%~2%高い。
- モーゲッジ保証料が高くなる。
- 変動性金利が貰えなく、クローズの固定金利のみとなる。
- 高いCredit Score(信用格付けの点数)を条件とする。
- 満期前に解約するとキャッシュバックで受け取った額を返さなければいけない場合が多い。
では、具体的に金利の違いを見てみましょう。家の価格を$350,000として、ご自身で5%の頭金を工面し、完済期間は25年、金利を3.69%(ディスカウント金利)、5年間満期とした場合、5年間でかかる金利額は$58,553.75です。もし、キャッシュバックモーゲッジを利用し、金利が5.39%だとすると、金利からキャッシュバックの金額を引いた差額だけでも約$10,442.53を余分に払わなければなりません。
5%キャッシュバックの利点
ご自身で貯金した5%の頭金や贈与金が無くても家を購入出来ます!アパートを借りて家賃を払う事を避け、早く自分の家を持つことが出来るのです。また、キャッシュバックを負債の返済に当てるとしても、クレジットカードで払うよりはモーゲッジの金利の方が断然安いです。
キャッシュバックモーゲッジを組んでしまう前に、5%の頭金を工面できる代替手段が無いか、負債の返済手段が無いかなど、モーゲッジアドバイザーにご相談される事をお勧めします。
【2011年6月号】⑭
現金両替レートと電子送金のレートの比較
住宅ローンのアドバイザーという職業柄、日本から頭金を送金する、または現金を持ってくるという話を良く耳にします。今回は住宅ローンから少々脱線しますが、海外送金専業会社で働いている深見健氏からお客様に分かりやすく説明して頂いたメールの一部をご紹介します。
美和Weninger
現金両替と電子送金を利用しての両替で、もろもろの手数料なども含めてどのくらい得するかを比較してみます。先ず、比較に利用するのは実際お客様に提供している当社のレートとバンフにある二つの両替所2社を利用します。銀行、空港の両替所などはレートが高いので省きます。レートは4月6日のほぼ同じ時間に確認したものを参考とし、もろもろの手数料は以下の通りです;
海外為替送金会社(電子送金利用=Wire Transfer)=89.944 CAD/JPY
日本円を、当社Citibank日本円口座に送金する際、「円建て国際送金」と言う方法で送金頂きます。この際、通常日本の銀行は約4,000円ほどの送金手数料を取ります。
両替したカナダドルを当社が送金する際、当社の送金手数料は5千ドル相当以上の場合は無料、未満の場合は10ドル頂きます。
バンフの現金両替所A社=94.34 CAD/JPY 両替手数料は、一口に付き$1.99
バンフの現金両替所B社=94.34 CAD/JPY 両替手数料は、一口に付き$2.50
上記のレート、手数料を利用して150万円をカナダドルに両替した場合、以下の計算になります;
❖当社
日本の銀行が送金手数料4,000円を取りますので、それを150万円から差し引いて実際の両替金額は1,496,000JPYとします。
1,496,000JPY÷89.944=$16,632.57
当社の送金手数料は無料なので、この金額調度をお客様ご指定のカナダドル口座に送金します。
❖バンフの現金両替所A社
1,500,000JPY÷94.34=$15,899.94カナダドル
手数料、$1.99を取られますので、手元に入る現金は$15,897.95
❖バンフの現金両替所B社
1,500,000JPY÷94.34=$15,899.94カナダドル
手数料、$2.50を取られますので、手元に入る現金は$15,897.44
結果、現金両替と電子送金の差は700ドル以上になります。(ハワイに行けますよ!)両替レートの差が一番影響しますので金額が少なければその差は少なくなり、大きくなれば差は大きくなります。また現金両替は、実際現金を持ち運ばなければいけないと言う危険性もあります。電信送金の場合はお金が無くなる事は一切ありませんので安心してご利用頂けます。現金両替は基本的に小額、旅行で利用する程度の両替に利用するのがベストです。ご参考になりましたでしょうか?
【2011年5月号】⑬
2011年3月18日より実施の
政府保証モーゲッジ基準の改正
ジム・フレーティー財務相は1月17日、今年3月18日から実施される新しいモーゲッジ基準の改正について発表しました。
- モーゲッジの頭金が20%に満たないInsured Mortgage(保証料を払う必要のあるモーゲッジ)の場合、Amortization Period(完済期間)が最長35年から、30年間に変更となる。
- 理由:完済期間を短縮する事によって利子の総額が減り、元金返済が増え、家により多くのEquity(資産)が早く蓄えられる。
- 注意点:頭金が20%以上ある場合は最長完済期間が35年か30年かは金融機関によって異なりますのでご確認下さい。
- Refinance(家/不動産を担保にお金を借りる)の際、今までは不動産価値に対して90%の金額を借りる事が出来たが、これからは85%に制限される。
- 理由:家を担保に借りることが出来る額を制限する事によって家により多くの資産が残り、貯蓄を助長する。また、家の価値を当てにした消費者金融への借金の返済を制限する事につながる。
- HELOCS (Home Equity Line of Credit) やHome Equity Loan(家の資産を担保に借りる事が出来るLine of Creditというローン)の場合、家の価値の80%以上は政府の保証が下りない。
- 注意点:昨年4月18日以降、この件においては既にほとんどの金融機関は家の価値の80%以上をLine of Credit というローンで貸してはくれませんので、新しい改正というわけではありません。
完済期間が短縮されるという事は、同じ金額の融資を受けるにしても返済期間が30年の場合は35年よりも毎月の返済額が増え、返済額が大きいほど融資審査は厳しくなります。つまり無理な購入を避け、安定したモーゲッジを組む事を促進します。結局、多く払う事になる金額は元金に当たるので、個人の資産は増え、払う金利を低く抑える事が出来ます。
【2011年3月号】⑫
Assumable Mortgage
(アスーマブル・モーゲッジ/引継ぎモーゲッジ)
家の所有権を売ったり、又は移動したりする際、買い手がそのモーゲッジを引き継ぐ事をAssumable Mortgageと言います。アルバータ州では個人が再審査無しでモーゲッジを引継ぐ事を法律で認めていますが、今日ではほとんどの貸方(銀行等の金融機関)がモーゲッジを引継ぐ前に新しい買い手が審査を通るよう条件付けています。
モーゲッジを引継ぐAssumable Mortgageには下記のような利点が挙げられます。
- 売り手がその売買時点の市場金利より低いレートで契約している場合、買い手はその低い金利を引継ぐ事が出来る。
- 買い手が払う頭金が20%に満たない場合(High Ratio Mortgage/リスクの高いモーゲッジ)に加算される保証料を既に売り手が払っていた場合、買い手は改めて保証料を払う必要がない 。
- Closed MortgageではTerm(満期満了)前に売買するとPayout Penalty(違約金)が生じるが、このAssumable Mortgageの場合、売り手は違約金を払う必要がない。
しかしながら、モーゲッジを引継ぐという事には落とし穴が存在するかもしれません。Shea Nerland Calnan LLPのMr. Roderick Onoferychuk(ロオデリック・オノフェリーチャック氏)に大要を伺ってみました。
「モーゲッジを引継ぐという事はモーゲッジを引継いだ人だけでなく、モーゲッジを譲った方にも大きな危険性を伴う場合があります。 通常、貸方がモーゲッジの引継ぎに同意していない場合、モーゲッジの売買には"Due On Sale Clause"(デュウ・オン・セール・クラーズ/モーゲッジが残っている不動産を売却又は移動する場合、モーゲッジの元金と利息は全て返済するという約束を明記した契約条項)という規定が含まれます。もし、貸方が同意していないのに家の所有権を移動した場合、貸方はモーゲッジの全額を請求する事が可能であり、もし要求に応えれなかった場合はForeclosure(フォークロージャー/返済不可能、又はモーゲッジ契約違反となり、債権者が抵当権を用いて抵当物件を競売にかけること)となり、強制的に売られてしまう事もあるのです。
もう一つの落とし穴は、買い手もしくは次に引継いだ者がモーゲッジの支払いを怠った際、売り手に負債の責任が残るという事です。これはCanada Mortgage and Housing Corporation(CMHC)によって保証されたモーゲッジ(リスクの高いモーゲッジ)に起こりがちです。例えば、アキ子さんがベンさんに家を売り、ベンさんがモーゲッジを引継いだとしましょう。もし、ベンさんがモーゲッジの支払いを怠り、物件がForeclosureによって競売にかけられたとすると、アキ子さんは家の売却で不足額が発生した場合にその負債を払う義務が生じます。このモーゲッジの負債額には貸方からの訴訟料なども含まれ、特に厄介な問題となるのはベンさんがBankrupt(破産宣告)した場合です。また、アキ子さんの責任は将来の買い手にまで及びます。もし、ベンさんがモーゲッジを他の人チャーリーさんに引継いでもらい、そのチャーリーさんもまた支払いを怠った場合には、ベンさんのみならずアキ子さんにまで債務責任がさかのぼるのです。
アルバータ州では 保証料の無いモーゲッジ(20%の頭金を払ったConventional Mortgage)の場合、貸方は元の購入者に債務の責任追及が出来ず、貸方の損害の回復はLand(土地)のみ。しかし、“Due On Sale Clause”規定に従い、多くのモーゲッジでは貸方は次の買い手にモーゲッジ認可の再審査を要求するか、全額支払いを売却時に強制する事を選択できます。」
- 上記例文等は理解して頂きやすいように情報をまとめたものであり、全ての内容がプロフェッショナルの法的アドバイス、又は法的アドバイスの代弁では無い事をご了承ください。
最後に・・・
引継ぎモーゲッジには利点がある一方、そのリスクは法律の資格のあるプロフェッショナルからアドバイスを受けて、注意深く理解し慎重に決断する必要があります。
【2011年2月号】⑪
Amortization〔アモタイゼーション:完済期間〕
完済期間(Amortization)は通常5, 10, 15, 20, 25, 30, 35年の内から選択します。一般的にモーゲッジの支払いには25年間かかると言われていますが、完済期間が短期と長期の場合とで、利点と問題点を比較してみましょう。
短期完済の場合
【利点】
- 利子が少なく、モーゲッジを早く払い終えることができる。(下表の例をご参照下さい)
←左表の計算は全完済期間に同じ金利を用いて計算していますが、実際はTerm(満了期間)の設定とその時点の金利によって金額は増減します。
【問題点】
- 支払額が多くなるためTDS(負債比率)とGDS(総負債比率)の割合が高く、融資金額は低くなり、希望の融資額の申請に通らない可能性がある。
- 完済期間を設定して契約した場合、期間の短縮はできても再契約(Refinance)をしない限り完済期間を延ばすことは不可能となる。
長期完済の場合
【利点】
- Preapprovalの際は長期の完済で計算することによって毎月の支払い金額が少なくなり、最大限の融資額を申請することができ、後で許容範囲内であれば、モーゲッジの契約時に短期への変更が可能となる。
- 毎月の支払い額が短期完済に比べて少ない。
【問題点】
- 総合的に短期完済よりも高額の利子を払わなければならない。
- 頭金が20%に満たない場合はMortgage Insurance(保証料)を払う必要が生じ、そのレートは25年で設定されているため、25年を超えた場合は5年ごとに0.2%が加算される。
- 〔例〕家の購入価格$400,000で、頭金5%の$20,000、モーゲッジ額$380,000の場合
- 25年以下のAmortizationのCMHCの保証料 … $380,000×2.75%=$10,450
- 35年AmortizationのCMHCの保証料 … $380,000×(2.75% + 0.2% + 0.2%)=$11,970
私は、完済期間についてのお問い合わせには“安心して生活出来る毎月の支払い範囲で完済期間の設定”をお勧めしています。完済期間が長いと利子が高くなりますが、Prepayment Privilege(前払い特権)を利用し、払える時に多く支払い、元金を減らして利子を減らす方法もあるからです。また、仕事で経験を積むことによって給料が増える場合があるので、収入の向上に合わせて5年間のTermであれば、リニューアルの際に完済期間を短くしても良いかもしれません。マラソンのようにはじめから飛ばしてゴールにたどり着けないよりは、ゆっくり自分のペースで走り、可能な時にスパートするといった支払い方法の方が精神的にも金銭的にも豊かに過ごせるのではないかと思います。
【2011年1月号】⑩
今回こちらのコラムはお休みですが、いつもコラムを提供してくださる美和さんらが11月に開催したイベントをご紹介します。
先月11月5日、ジェンコアモーゲッジにおいて、Jencor MortgageのWeninger美和さんとCIR Realtyの津野ゆかさんとの共同主催で、“第一回 働く日本人女性の集い(Japanese Working Women Networking Meeting)”が開催され、この集いには26名の日本人女性が参加されました。
主催者からは各種ワインとSushi Hibikiのお寿司、そして今回は協賛としてレスブリッジで“お袋の味-冷凍お惣菜/手作り麺”を提供しているBento K & Mから、ぜんまいとちくわぶの煮付け、きんぴらごぼう、コロッケ、赤飯、手作りさつま揚げ、とんかつ、金時豆の甘煮、さんまの煮付けが振る舞われ、懐かしい故郷の味に皆さん舌鼓を打ちながら、会話に花を咲かせました。
今回参加されたのはカナダで資格を取り、キャリアを積んでいらっしゃる日本人女性で、以下のようなご職業の方々です。
- アカウンタント/経理事務
- ウェブデザイナー
- オイル&ガス関係会社の社員
- オキュペーショナルセラピスト
- 建築テクノロジスト
- 歯科医
- 歯科技工士
- 自動車整備士
- 水質スペシャリスト
- ドッグトレイナー/ドッググルーマー
- トラベルエージェント
- ネイルアーティスト
- ファイヤープロテクション会社経営者
- パラリーガル
- プリプレステクニシャン
- プログラマー
- 弁護士
- ポストドクタル研究者
- 翻訳者
- モーゲッジアドバイザー
- リアルター
- レストラン経営者
- ヨガインストラクター
【2010年12月号】⑨
Tax Free Saving Account(通称TFSA)
今回はモーゲッジのお話ではなく、誰もが知っておいて損はないTax Free Saving Account(タックス・フリー・セービング・アカウント:以下TFSA)について一緒に学んでいきたいと思います。
多くの方がRRSPやTFSAを利用した投資をしているかと思いますが、10月6日のファイナンシャル・ポストによると、53%のカナダ人はまだTFSAを開設していないそうです。TFSAは2008年の国家予算で発表され、2009年1月1日より施行されています。TFSAを設け、そこから投資をすれば毎年$5,000までの投資による利息、分配金、Capital Gain(キャピタル・ゲイン/資産の価格の上昇による利益)による収入は非課税になるというものです。(通常TFSA外の投資は、個人の所得、投資内容、そして州によって税率が異なりますが、アルバータ州の上記の投資収入の場合22%-39%の税率が考えられます)
TFSAとは具体的にどう働くのでしょう?
- 18歳以上のカナダ居住者は年間$5,000まで投資することができ、$5,000とその投資による収益は非課税となる。
- RRSPと異なり、出資した$5,000は課税の対象であるが、おろす時には得た収益分を含めて非課税となる。(RRSPの場合はおろす時に課税対象となる)
- 利用しなかった場合は翌年にまわすことが可能。(例えば昨年と今年に利用しなかった場合に毎年の限度額は$5,000である為、2011年は$5,000×3年分=$15,000が限度額となる)
- 投資信託(Mutual Funds)、利率保証型投資(Guaranteed Investment Certificates/GICs)や債券(Bonds)をはじめとする幅広い投資が可能。
- TFSAから得た収益やおろした金額は、政府のFederal Income-Tested Benefits and Credits (Old Age Security, the Guaranteed Income Supplement, and the Canada Child Tax Benefit) に影響しない。(TFSAで収益を得たからといって、上記の政府からのベネフィットが支払われなくなったり、減額されたりしない)
- 配偶者間で投資の移動をする事ができ、アカウント所持者が死亡した場合、配偶者のアカウントに移動することが可能。
TFSAの注意点-Over Contribution Penalty
$5,000の限度額を超えてTFSAに投資した場合、超過分に対して毎月1%のペナルティーを払わなければなりません。例えば、2009年の限度額が$5,000とします。2009年2月に$5,000を投資し、3月に更に$4,000を投資したのですが、限度額を超えたことに気が付いて5月に$4,000をおろした場合、合計投資額は$5,000なのですが、おろした額は翌年まで反映されません。その為、総額$9,000の投資で$4,000のOver Contribution(過剰投資)となり、毎月1%×$4,000(=$40)のペナルティーが課せられます。このややこしルールの為に2009年は7万2千人が誤った申告をしたそうです。
TFSAがIncome-Tested Benefitsに影響しないCanada Revenue Agencyの例
〔参照:
http://www.cra-arc.gc.ca/tx/ndvdls/tpcs/tfsa-celi/mpct-eng.html〕
デニスは退職し、個人年金の他にOAS(オールド・エイジ・セキュリティ)やCPP(カナダ・ペンションプラン)を受け取っています。彼は一年間でTFSAの預金から$500の利息収入を得ましたが、この収入もTFSAを引き落とす際には非課税となります。
しかし、仮にこの$500が他の預金で得たものだとすると利益は収入としてTax Return(確定申告)で申告をして、通常の税金に加えてSocial Benefits Repayment(ソーシャル・ベネフィット・リペイメント/社会的便益返済)を支払わなければなりません。
最後に
今回はCanada Revenue Agencyのウェブサイトを参照になるべく忠実に訳して、分かりやすいように少々付け加えて書きました。投資できる幅はRRSPよりも広いので、是非いろいろ調べて税金対策にご利用下さい。
【2010年11月号】⑧
5月号で変動性金利と固定金利についてふれましたね。変動性金利は短期金利、固定金利は長期金利なわけですが、どうして両方の金利が比例して動かないのか不思議に思われる方も多いかと思います。特に、最近では短期金利が上がっているのに対し、長期金利は下がっています。何故このようなことが起こるのでしょうか?
短期金利の背景
Bank of Canada(カナダ中央銀行)はMonetary Policy(金融政策)、つまり、物価や通貨価値の安定、景気対策の一環として金融の引き締めや金融緩和する為に、短期金利を上げたり下げたりしています。この金利をBank RateまたはOvernight Rate(バンク・レイト、オーバーナイト・レイトは共に国の政策金利)とよび、インフレーション(以下インフレ)を操作しています。カナダ中央銀行はインフレのターゲットを1%-3%に定め、もしインフレ率がそれ以上になると、短期金利を上げて経済の成長率を鈍化させます。もし、インフレに問題がなく、もっと経済を活発にしたい場合は金利を下げます。金融機関はこの金利によって調達したお金を個人や企業に貸し出すわけですが、この際の短期金利がPrime Rate(プライム・レート)です。私達に直接関わる影響面としては、カナダ中央銀行が金利を上げると、金融機関が預金者に支払う利子が増えます。そうなると、その分を払う為に金融機関が貸し出す金利が高くなるわけです。企業は金利が高くなると設備投資や事業拡大する事が難しくなり、経済の成長を抑えインフレ対策になります。
長期金利とBOND(債券)の関係
通常、Pension Funds(年金基金)、Hedge Funds(私募による投資)、 Mutual Funds(公募による投資信託)、銀行、外国政府、保険会社、大企業などが長期債券に投資します。そのBond(債券)の中で私達のモーゲッジ金利に直接影響を及ぼすのが、Mortgage Backed Securities(モーゲッジ・バックド・セキュリティ/以下日本語は省略して「モーゲッジ債」)、つまり住宅ローンを担保として発行された債券をさします。このモーゲッジ債を含む債券が値上がりする(=債権が買われる)と債券の金利は下がります。逆に、債券の需要が減り、値下がりすると(=債券が売られる)債券の金利が上がります。つまり、債券の価格と金利は逆相関の関係にあるのです。債券の動きは政治的、経済的(インフレや失業率)、株式市場の発展、そして世界情勢に関係してきますので変動の予想は難しいのですが、一般的にカナダ中央銀行のBond Yields(債券の利回り)が上がると長期金利も上がり、下がると長期金利も下がりますので、カナダ中央銀行のウェブサイトでBond Yieldsの動きをチェックすると良いかもしれません。
【2010年10月号】⑦
Mortgage Life Insurance 住宅ローン生命保険
家を購入する際に必要なこととして、頭金の準備、住宅火災保険への加入や引越し、場合によってはリノベーション、新しい家具の購入や子供の転校手続きなど、大切な事を挙げたらきりがありませんが、大切であるにも関わらずなかなか重要視されていないのがモーゲッジ・ライフ・インシュランスです。
通常、モーゲッジの返済は長期間ですので、その間に万が一の事が起こる可能性は誰にでもあります。返済途中でローン契約者の一人がお亡くなりになった場合、残された家族がモーゲッジを返済し続けなくてはなりません。その家族がマイホームに安心して住み続ける為に、どのような保険が必要でしょうか?
様々な保険がある中でどんな保険が自分に適しているか、経済力、リスクに対する忍耐力、そして家族の病歴(遺伝的なもの)なども考慮する必要があります。
カナダではモーゲッジを組む際、大抵モーゲッジ生命保険に加入されるかどうか聞かれますが、義務付けられているわけではありません。その場で手続き出来る便利さから契約書に即サインされる方もいますが、みなさんは内容をよく把握した上で手続きされているでしょうか。モーゲッジ・ブローカー、レンダー(銀行など)、そして保険会社は独自の保険を勧めます。そんな中でみなさんが最も考慮すべき大切な点は、新たに大きな債務を抱えた時に今までのCoverage(保険金)だけでは充分ではないかもしれない、という事です。どの保険を選んだとしても以下の事柄などを質問し、納得した上で契約すると良いでしょう。
- どの程度の保険が必要なのか?
- 万一の時、残された家族はどのように守られるのか?
- モーゲッジ生命保険の場合、引越しの際に新しい家への保険変更は可能か?
- 支払う保険料は?
- 年が経つと保険料は変わるのか?
- 満期はいつか?
- 加入申請時の健康に関する制約は?
大切な事は、新しいモーゲッジによりあなたの経済状態が変わるということです。万一の時、家族の生活状況が悪化しないよう、モーゲッジを組む際にご家族を守ることができる一番良い保険を選択して頂きたいと思います。
【2010年9月号】⑥
今回はGenworth Financial Canada(カナダで2番目に大きなモーゲッジ保証会社)が2010年3月に行った調査結果を見てみましょう。
カナダ人の59%はクレジットカードの請求を毎月全額支払っている。
クレジットカードの残高にかかる金利が高いことは誰もがご存知の通りです。クレジットカードの利用状況がCredit Limit(利用限度額)に近く、他にローンがあるようでしたら、クレジットカード会社に高い金利を払うよりは家のEquity(資産)を利用し、Refinance(再融資)をして借金を低金利のモーゲッジやLine of Credit(家の資産を担保に借り入れできるローン)にまとめるのが良い対策でしょう。しかし、クレジットカードの方に余裕ができて使い込んでしまっては悪循環です。少なくともクレジットカードのMinimum Payment(最低支払額)を毎月きちんと払い、Credit Rating(信用格付け)の点数が下がらないようにしましょう。
モーゲッジ所有者の23%は前払い特権や繰上げ返済を利用して過去1年内で支払額を増やしている。
多くの人は低金利ということに重点を置いてモーゲッジを選択しているようですが、違約金なしで元金を払えるPre-payment Option(前払いオプション/通常、オリジナルモーゲッジの0%~25%)を利用すれば最終的には、より効果的にコストを削減できます。返済は元本に充てることができ、将来その分にかかってくる払うべき利息を減らせるため、時期がければ早いほど払う利息の軽減効果があります。しかしながら、23%という数字から見ても現実的にはなかなか難しいようです。
最近では家所有者の49%は頭金を20%、もしくはそれ以上払って住宅を購入をしている。
20%の頭金を払うかどうかによって生じるの大きな違いは保証料を払う必要がないConventional Mortgageになるか、保証料を払わなければならないHigh Ratio Mortgageになるかということです。典型的な頭金としては、既にある家を売って購入する場合のEquity(資産)、親族からの贈与金、そしてご自身の投資資産が挙げられます。また、HBP(Home Buyer’s Plan)を利用しRRSP(Registered Retirement Savings Plan)から最大$25,000(15年以内に返済すれば課税の影響を受けない)まで引き出して頭金にあてる事も可能です。(詳しくはこちらを参照してください。
http://www.cra-arc.gc.ca/tx/ndvdls/tpcs/rrsp-reer/hbp-rap/menu-eng.html)
最近の住宅購入予定者の22%は昨年、Pre-approval(仮審査)を申請している。
TD Bankの調査によると初めて住宅を購入する人の91%はPre-approvalを申請しているという報告が出ています。住宅購入経験者の場合は過去の経験を生かし、仮審査を省いてすぐに手続きをする傾向があるため22%という結果なのでしょうが、初めて購入する人はアドバイザーの指示に従い、まずは仮審査の認可を得るようです。Pre-approvalをする事によって90-120日間、その時点の金利を押さえることが出来ますし、金利が下がればその低い金利を適用してくれます。金利が上がってしまってからでは遅いですし、費用は全くかかりませんので、経験豊富な方であっても金利率を約束してくれるPre-approvalを申請する事をお勧めします。
【2010年8月号】⑤
6月は買い手市場で多くの物件があふれていました。それでも買う人が少ない為、不動産、モーゲッジ業界はとても静かです。
さて、今回はモーゲッジに関して頂いたご質問をご紹介したいと思います。
WeList.comに気に入った物件がありました。モーゲッジを組む事は出来ますか?
はい、出来ます。“For Sale by Owner”(リアルターが介入せず、直接オーナーが家を売る)の物件を宣伝するWEB不動産広告会社で一番の大手がWeList.comです。安全な取引の為にMLS(Multiple Listing System)に登録した物件を望む金融機関が多いようですが、WeList.comを通しての売買の場合なら問題ないという所もあります。
日本で生活していますが、投資目的で家を購入したいと考えています。移民ではなくてもモーゲッジを組めますか?
はい。Non-Resident in Canada(カナダに在住しない人)の場合は、頭金が購入の35%以上必要となります。必須書類を英語で提出し、インターナショナル・クレジット・ビューロー(International Credit Bureau)ならびにGDS(Gross Debt Service/負債比率)とTDS(Total Debt Service/総負債比率)の審査に通れば問題ありません。日本語の文章を英語に翻訳して提出する際には、公認翻訳者のスタンプとサインがあるものが有効です。
(*投資目的ではなく、移民として海外からの移住を目的とする購入であれば頭金は最低5%、ワークビザはあるが、移民ではない場合は10%の頭金が必要です)
クレジットカードは家族の名義なので、Credit Rating(信用格付け)に必要な2年間の記録がありません。
金融機関によっては代替手段として次のような証明を受け入れてくれる場合があります。もしアパートにお住まいでしたら、そのオーナー会社から“一度も支払いを滞納せずに支払っています”というレターを書いてもらうという方法がありますが、このレターは正式な文章でなければ信用性がないため、会社のレターヘッド付きの用紙でない場合は無効となります。他には電話、ケーブル等の請求書とその支払いを毎月証明出来るバンク・ステイトメント(明細)を一緒に提出するという事も可能です。(㊟貸方の条件によります)
【2010年7月号】④
不動産購入の順序
今回はCIR Realtyの津野ゆかさんとのコラボで、初めて家を購入する人にわかりやすく不動産購入順序をご紹介致します。
1)希望物件の検討
まず、どこの地域が良いのか、どんなスタイルの家(一軒家、コンド、タウンハウス等)、ガレージの有無やキッチンの大きさ、これだけははずせない、これは金額しだいでは妥協できる条件などを検討しましょう。
2)リアルター(Realtor)の選択
リアルターは不動産において知識が豊富で、情報もいち早く入手できます。家の売買に際し、リアルターへの手数料は“売り手”が支払いますので、どんなに多くの物件を見せてもらっても買い手は手数料を払う必要がありません。ただ、リアルターによってはBuyer’s Contract(買い手との契約)を要求する場合があり、その契約に署名したにもかかわらず、他のリアルターを介して購入したり、自分で直接交渉に出向いて売り手のリアルターを介して契約した場合は『契約不履行』で、幾らかの報酬を支払う義務が生じます。
TIP:
日本では各売り家ごとに不動産会社と連絡を取り、物件情報を聞いたり、家の中を見せてもらったりしますが、カナダでは売り家のほとんどがMLS(Multiple Listing System:不動産業者が市場に出ている売り物件をネットワーク上で共有するシステム)に登録されていますので、専属のリアルターを一人見つけさえすれば、それらのことや売買契約まで行うことができます。リアルターは、時に友達や同志のような存在になりますので、電話やメールだけでなく、実際にリアルターと面会し、相性や信頼性などを確かめる事をお勧めします。
3) 予算とモーゲッジ額の確認
融資する貸方は借方の収入や借金を基準に『融資額審査』を行います。銀行やモーゲッジの専門家と連絡を取り、どれだけのモーゲッジが組めるかなどを家探しをされる前に確認すると良いでしょう。貸方によってはPre-Approval(仮認可)を申請すれば、その時点の金利を60-120日間抑えてくれ、もし金利が下がれば下がった金利を設定してくれるので、仮認可の申請をお勧めします。
TIP:
Pre-Approvalに重要なのが、Credit Rating(信用格付け)。日本人は現金主義の方が多く、バンクカードで支払いを済ませてしまいがちですが、カナダに移住し、将来は家を持ちたいと思ったら早速カナダで2種類のクレジットカード、又はチャージカード(SEARSなど、お店が発行するカード)を申請し、小額でも時々利用して必ず支払期日までに支払っておくとCredit Ratingが高くなります。必要履歴は2年以上なので、前もって準備する事をお勧めします。
4)物件探し
家の購入は一生で最も大きな買物の一つです。リアルターは契約の流れを分かりやすく説明したり、買い手の味方となって物件選びのお手伝いをしますので、希望条件を細かく正確に伝えましょう。ご自身でもMLSから情報を得ることができますので、気に入った物件があったら番号を控えてリアルターに伝えると良いでしょう。
TIP:
リアルターは一般市場に出る前に不動産情報を入手することができますので、希望を伝えておけば、自動メールにていち早く情報を得ることができます。
5)オファー
希望の物件が見つかったら次は交渉です。リアルターと相談し、希望購入価格、デポジットと頭金、融資予定額、購入条件は何か(冷蔵庫、オーブン、洗濯機込み等)、そして希望の引渡し日をPurchase Contract(売買契約書)に記載して、自分のリアルターを通して売り手のリアルターに渡します。売り手が満足すれば交渉成立ですが、売り手から条件を出してくることもありますし、他からも同時にオファーがある場合は、より高い金額を提示した方と契約をしますというBidding War(つけ値競争)になる事もあります。売買契約書は手書きで仮契約のように感じますが、この用紙が本契約になりますので、注意を払い、よく理解してオファーを提出しましょう。売り手と買い手の両者が合意すると買い手は購入額の5%前後のデポジット(保証金)を払います。
TIP:
希望購入価格を決定する際、購入額以外の出費(ホーム・インスペクション、弁護士費用、火災保険料など)も考慮しましょう。
6)交渉成立
交渉が成立したらAcceptance(仮契約)となり、モーゲッジの最終確認が必要となります。リアルターが融資をしてくれる貸方に必要書類を送ります。最終審査の過程で物件が融資額に本当に値するかを確認する為に貸方がAppraisal(家の査定)を条件付けて来る場合もあります。通常5日間程で貸方から融資の約束と、借り手はモーゲッジを必ず支払うと約束するCommitment Letter(誓約書)が送られてきます。書類にサインをすれば“モーゲッジ”は確実となり、家を購入する際に条件付けた“この契約は融資が決定した場合のみ”という条件を解除し、本契約となります。この後に契約不履行になると払ったデポジットが返ってこない、また、買い手は契約を完了する義務があるとされ、売り手から訴えられる事もありますので慎重に進めて下さい。
TIP:
オファーを入れた後は、融資をしてくれる貸方にモーゲッジを組むために必要な書類全てを、すぐに提出しなければなりません。モーゲッジの内容や種類、借方が被雇用者か自営業かによっても提出書類の条件が異なります。必要書類の例として、頭金の証明を示す過去3ヶ月分の銀行残高証明やモーゲッジの支払いをするバンクのVOIDチェック、その他には親から頭金を貰う場合はGift Letterが挙げられます。そして、被雇用者の場合は過去2回分のPay Stub(給与明細)、Employment Letter(雇用証明書)となり、自営業では過去2年間のNotice of Assessment(確定申告通知書)、T1General(確定申告申請書)、Financial Statement(財務諸表)が必要となります。もし、書類を紛失した場合は短期間で取り寄せるのが難しいので、前もって準備しておくと良いでしょう。
最後に…
家を購入するというのは大きな決断と大変な労力を要します。良い物件は誰が見ても良い物件なので競争率が高く、長く売りに出されてるのになかなか売れないのは、それなりの訳があります。毎月のモーゲッジの支払いだけでなく、土地税、光熱費などもありますので、きちんと計画して購入する事が大切です。分からない事、不安な事は事前にリアルターやモーゲッジの専門家に相談しましょう。
【2010年6月号】③
モーゲッジ・オプションについて
Open Mortgage●オープン・モーゲッジ
Term Maturity Date(ターム・マチュリティ・デート:期間満了日)前にPrepayment Penalty(プリ・ペイメント・ペナルティ:前払い 違約金)無しで、いつでもいくらでも、もしくは全額完済して良いオプションです。金利はクローズドより高いですが、短期間で完済出来る場合や物件を購入してすぐに売りたい場合に適しています。
Closed Mortgage●クローズド・モーゲッジ
短期間で完済する計画が無いのであれば、必要に応じたTerm(期間)で契約すると、オープンよりも低い金利でモーゲッジが組めます。また、Termの満了前に完済してしまう場合は違約金を払う必要があります。Lender(貸方)によっては毎年(又は毎回の支払い)元金の数%までを違約金無しで支払っても良いなどのPrepayment Privilege(プリペイメント・プリヴァレッジ:前払い特権)があるモーゲッジもありますので、契約前にそういった内容も詳しく確認しておくことが大切です。
Variable Mortgage●バリアブル・モーゲッジ(変動性金利モーゲッジ)
変動性金利のモーゲッジは、毎月の支払い額が月の日数やPrime Rate(プライム・レート・銀行が融資するにあたって、一番優遇された金利)の変動によって変わります。Prime RateはBank of Canada(カナダ中央銀行)の公定歩合によって変動します。通常、固定金利より低く、現在のPrime Rateは2.25%(5/4現在)です。金利が上昇した場合も支払える収入や資産がないと、リスクの高いモーゲッジになります。はじめは変動性金利にしておいて、後で固定金利に変更する事も可能です。
Fixed Mortgage●フィックスド・モーゲッジ(固定金利モーゲッジ)
固定金利はCanada Mortgage Bond(カナダ・モーゲッジ・ボンド:モーゲッジ債権)に影響されます。固定金利は通常変動性金利より高いですが、毎月、毎週同じ金額の支払いなので安定性を望む方に適しています。固定金利から変動性金利に変更する為には違約金を払う必要があります。
最後に…
固定金利を選ぶか変動性金利を選ぶかは個人の事情、状況、そしてリスクに対応出来るかどうかによります。変動性は通常平均的に見て5年間で固定よりも低い金利ですが、急に変動する事がありますので、ご家庭の予算計画を崩す可能性があります。計画的で安定した生活を望まれるようでしたら、固定金利も良い選択です。固定金利と変動性金利が比例して変化するとは限りません。常に銀行やモーゲッジ会社の金利の動きに注意を払っておくと良いでしょう。5年期間のクローズド固定金利だから、と5年間放っておくのではなく、満期の半年前から借りている銀行や専門家に相談する事をお勧めします。時には違約金を支払ってでも、新しい金利でRefinance(再契約)する方が結果的にお金を節約出来る場合もあります。
【2010年5月号】②
4月19日より実施される
政府保証モーゲッジ基準の改正
ジム・フレーティー財務相は「カナダの不動産は我々の確固 たる経済基盤に支えられ、健全で安定している。しかし、世界の金融危機に影響されない為にも早期対策が必要だ」として、政府保証モーゲッジの改訂を発表しました。
一つ目の改訂は、政府保証モーゲッジ基準についてです。まず、借入金が家の価値の80%を越えるモーゲッジを組み、政府が運営するCMHC(Canada Mortgage & Housing Corporation)が保証するとします。現在、政府保証モーゲッジの基準では借り手の支払い能力を計る上で下記のようなGDS(Gross Debt Service/負債比率)とTDS(Total Debt Service/総負債比率)の計算式を用いていますが、基本的にはGDSが32%以下であること、TDSが40%以下でなければなりません。
✻GDS
〔モーゲッジの支払い(元金と金利)+不動産税+光熱費+(コンドミニアムの場合は1/2のコンド料)〕÷収入=32%以下
✻TDS
〔モーゲッジの支払い(元金と金利)+不動産税+光熱費+(コンドミニアムの場合は1/2のコンド料)+車や学生ローン等の個人ローン〕÷収入=40%以下
但し、Credit Rating(信用格付け)が高ければGDS比率は免除され、TDSのみの適用で44%以下となります。これらの基準(%)を上回ると、“収入に対してローンが多すぎる”とみなされてしまいます。
そして今回の改訂で、モーゲッジのQualification(クオリフィ ケーション/認可)申請時に、仮の〔モーゲッジの支払い(元金と金利)〕の計算をする際に使用していた『3年固定金利のレート』が、実際にはVariable(バリアブル/変動性金利)や1~3年の固定短期間低金利であったとしても、『5年固定金利モーゲッジ基準を満たさなければならない』と変わります。
結果として、4月19日以降は5年固定金利基準の高いレートを用いて計算することになり、元金と金利の金額設定が実際よりも高く見積もられることで、同じ条件でもQualificationの審査が厳しくなることになります。
二つ目は、家/不動産を担保にお金を借りる際、今までは不動産価値に対して95%の金額を借りる事が出来ましたが、これからは90%に制限されます。
三つ目は、自分が住む為ではない不動産を購入する際は、20%の頭金を支払わなければなりません(改訂前は最低5%の頭金)。
これらの改訂は、キャシュフローの少ない不動産投資家に痛いお話ですが “きちんと支払いの出来る範囲でローンを借りましょう。不動産バブルを防ぎましょう。”という政府の早期対策です。
【2010年4月号】①
Mortgage(モーゲッジ/抵当権)と
そのタイプについて
Conventional Mortgage (コンベンショナル・モーゲッジ)
借り手が家を購入する際、購入価格の20%以上の頭金(ダウンペイメント/Down Payment)を支払う、また、借入金の借換え(リファイナンス/Refinance)をする場合には家の価値の20%は資産(エクイティー/Equity)である、つまり、借入金が家の価値の80%を超えないモーゲッジをコンベンショナル・モーゲッジと呼びます。このモーゲッジは貸方が安全なモーゲッジと判断し、借り手は保証料(モーゲッジ・インシュランス/Mortgage Insurance)を払う必要がありません。
Insured or High-Ratio Mortgage
(インシュアードまたは、ハイ・レイシオ・モーゲッジ)
反対に、借入金が家の価値の80%を超える場合(最低5%の頭金が必要)は、家の価値に対しての借入金の割合によってインシュランスのプレミアムが変わってきます。例えば、40万ドルの家を買った際に9%の頭金を払った場合は借入金に対して2.75%の保証料がかかります。
<例>
40万ドル($400,000)の家を購入した際、19.99%の頭金を用意したとします。この場合LTV(Loan to Value=借りた金額÷家の価値)が80.01%なので、保証料は1.75%、つまり、借入金(40万ドルから頭金を差し引いた金額)×1.75%の『$5,600.70』を支払わなければいけません。もし20%の頭金を工面していれば、この保証料を払う必要がないので、頭金0.01%の違い、40ドルで大きなお金を節約できます。
Zero Down Payment (ゼロ・ダウン・ペイメント/頭金無し)
カナダの法律において、頭金無しのモーゲッジはもう適用されません。しかし、貸方がCMHC、GENWORTH、AIGといった貸方が保証されるプログラムを通して“Cash Back”や“Flex Down”でモーゲッジからキャッシュを得て、それを頭金に当てるという形で頭金無しでもモーゲッジを得る事ができますが、借り手のCredit Rating(クレジット・レーティング/信用の格付け)がこのプログラムを利用出来るかどうかに大きな影響を与えます。






